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糖尿病・内分泌代謝内科
糖尿病・内分泌代謝内科のご紹介
糖尿病・代謝性疾患の診療の向上は、ナショナルセンターである国立国際医療研究センターのミッションに挙げられているため、多くの糖尿病診療を志す医師が集い、日夜、糖尿病の診療・研究に精進しております。また、当院は日本糖尿病学会教育認定施設であり、計7名の糖尿病専門医が在籍しており、千葉県内で有数の糖尿病専門医が在籍する施設となっております。
また、甲状腺・副甲状腺・下垂体・副腎など様々な内分泌疾患を診療しており、また甲状腺クリーゼをはじめとする急性期疾患についても積極的に診療しております。
そして、当院は日本老年病医学会教育認定施設でもあり、糖尿病・内分泌代謝内科の医師は総合内科医師を兼ねていることから、感染症・認知症・心不全など様々な疾患を合併する患者の診療を得意としております。
当院の糖尿病診療は、チーム医療を大切にしており多職種が関わり糖尿病教室を運営しているほか、肥満の是正を目的とした生活習慣改善支援入院、1週間の短期入院で糖尿病合併症の検査や食事・運動療法を行う糖尿病リフレッシュ入院なども行っております。
毎日初診担当の医師がおりますので曜日を気にせずご紹介いただければと存じます。また、高血糖高浸透圧症候群や糖尿病性ケトアシドーシスなどの糖尿病急性合併症患者に関しても、お電話いただければ急性期から対応いたします。
内分泌代謝科診療科長
柳内秀勝
医学生・研修医・レジデントの皆様へ:紹介PDF(1.1MB)
糖尿病性腎症
糖尿病性腎症、守れる未来へ。
あきらめないでください。早期対応で、進行を抑えられます。
国立国府台医療センター糖尿病内科では、糖尿病とその合併症の予防・管理に取り組んでいます。
とくに「糖尿病性腎症」に対しては、進行をできるだけ抑え、透析を回避することを目標に、総合的なサポートを行っています。
糖尿病性腎症って何?
糖尿病による高血糖が長く続くことで、腎臓の働きがゆっくりと損なわれていく病気です。
初期には自覚症状がほとんどなく、気づいたときには進行していることもあります。
しかし、早い段階で気づき、適切な治療を行うことで進行を遅らせることができます。
治療のポイント
血糖・血圧の管理
血糖値と血圧のコントロールは、腎臓へのダメージを防ぐ最も重要な治療です。
当院では、従来の薬に加え、GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬、ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬など、腎臓にやさしい新しい治療薬も積極的に導入しています。
高尿酸血症の管理
尿酸値が高い状態(高尿酸血症)は、腎臓病の進行と関連していることがわかってきました。
必要に応じて尿酸を下げる治療も行い、腎機能の維持に努めます。
食事と生活習慣の見直し
「腎臓を守る食事」は、塩分やたんぱく質の摂りすぎを控えることが基本です。
当院では、管理栄養士が個別にサポートし、生活改善をお手伝いします。
本気で変わりたいあなたへ医療の力で支える肥満症外来
当院では毎日肥満外来を行っております。
肥満は‘‘がんばり不足"ではなく、治療すべき「病気」です肥満はただの‘‘食べすぎ"や‘‘運動不足"ではありません。実際には、ホルモンの異常・ 代謝の低下 ・ 心理的ストレス・薬の影響など、さまざまな要因が関係しています。私たちの肥満外来では、こうした根本原因を医学的に評価し、
「責める」のではなく「支える医療」を提供します。
肥満外来でできること
肥満の原因を丁寧に調べます。以下のような「二次性肥満」も鑑別としてあげられます。甲状腺機能低下症(代謝が落ちて太りやすくなる)、クッシング症候群(副腎からのホルモン異常)や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、向精神薬やステロイドなどの薬剤性肥満などの診断をきちんと行うことが正しい治療への第一歩です。
適応に応じて薬物療法を行ってゆきます。
2型糖尿病、高血圧、脂質異常症のため薬物療法を行っており、 BMIが27以上もしくは30kg/m2以上の方に対し、半年以上の栄養指導を行ったうえで、GLP-1受容体作動薬(ウゴー ビ®ゃゼップバウンド®)を導入することもあります。最終的には医師の判断となります。
GLP-1受容体作動薬の効果は以下の通りです。
- 胃の動きをゆっくりにします食べ物が胃から腸へ移動するスピードを遅らせることで、満腹感が長く続き、食べ過ぎを防ぎます。
- 脳に「もう食べなくていい」という信号を送ります満腹中枢に働きかけて、自然と食欲を抑えるしくみです。
- インスリンの分泌を助けます食後の血糖値が急激に上がるのを防ぎ、血糖コントロールがしやすくなります。また、脂肪代謝を助ける作用もあります。
合併症の管理
糖尿病、高血圧、脂肪肝、睡眠時無呼吸、高尿酸血症など、肥満が関与する他の疾患にも同時に対応します。
肥満教育入院プログラム【7日~14日】
「わかっているけどできない」を「できる」に変えるための、短期集中プログラムです。
- 入院で得られるもの:医師による生活習慣と体質の総合評価血糖 ・ 脂質 ・ ホルモン ・ 睡眠 ・肝機能などの詳しい検査管理栄養士による個別食事指導専門看護師による行動支援(記録・ 目標設定)体の使い方を見直す運動指導を行ってゆきます。
- 対象:肥満に悩んでいるが、何から始めてよいかわからない方合併症を抱えた肥満のある方外来治療での減量がうまくいかなかった方入院を通して「減らすだけ」ではなく、「続けられる生活スタイル」を一緒に見つけていきます。
当科のトピックス
- 2024年8月勝山医長の論文
” Retrospective Longitudinal Observational Study on the Long-Term Effects of Sodium-Glucose Cotransporter-2 Inhibitors on the Development of Metabolic Dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease in Type 2 Diabetic Japanese Patients”
が「Journal of Clinical Medicine」に掲載されました。 - 2024年8月栁内副院長・糖尿病内分泌代謝科長の論文
” The Significance of Endothelial Dysfunction in Long COVID-19 for the Possible Future Pandemic of Chronic Kidney Disease and Cardiovascular Disease”
が「Biomolecules」に掲載されました。 - 2024年7月勝山医長の論文
” Real-world effectiveness of imeglimin in patients with type 2 diabetes: A retrospective longitudinal study in Japan”
が「Diabetes Research and Clinical Practice」に掲載されました。 - 2024年5月勝山医長の論文
” Effects of Once-Weekly Semaglutide on Cardiovascular Risk Factors and Metabolic Dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease in Japanese Patients with Type 2 Diabetes: A Retrospective Longitudinal Study Based on Real-World Data.”
が「Biomedicines」に掲載されました。 - 2024年4月栁内副院長・糖尿病内分泌代謝科長の論文
” Renal Function Improvement With Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonist in a Patient With Type 2 Diabetes.”
が「Journal of Medical Cases」に掲載されました。 - 2024年3月栁内副院長・糖尿病内分泌代謝科長の論文
” A Possible Therapeutic Application of the Selective Inhibitor of Urate Transporter 1, Dotinurad, for Metabolic Syndrome, Chronic Kidney Disease, and Cardiovascular Disease.”
が「Cells」に掲載されました。 - 柳内副院長・糖尿病内分泌代謝科長の論文
”Metabolic-Dysfunction Associated Steatotic Liver Disease -Its Pathophysiology, Association with Atherosclerosis and Cardiovascular Disease,and Ideal Treatments”
が「International Journal of Molecular Sciences」に掲載されました。 - 箱島先生がマレーシア・クアラルンプールで開催された、第16回アジア太平洋動脈硬化・血管疾患学会(APSAND)で若手研究奨励賞および、日本動脈硬化学会 APSAVD トラベルグラントを受賞しました。
- 日本糖尿病協会月刊誌「さかえ」7月号に勝山診療科長の記事「糖尿病と入浴」が掲載されました。